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明けましておめでとうございます。会員の皆様には健やかに新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。昨年中は青森市医師会の活動、運営に関しまして、温かいご支援とご理解を賜り衷心より御礼申し上げます。 昨年4月には、平成18年に改正された医療制度改革に基づく後期高齢者医療制度が実施されました。これに先立ち、3月に新しく改定された診療報酬が発表になりました。この中で「後期高齢者診療科」の選択制と医学管理料の5分間要因がでてきました。後期高齢者診療料に関しては、包括制に繋がり、更に制限診療へと進展する危険性を孕んでいることから、青森市医師会としてはいち早く反対を表明し、会員の先生方の同意を得ることができました。さらに、青森市医師会発としては、青森県内の全ての郡市医師会にも連絡し、賛同を得て、青森県全体として後期高齢者診療料を算定する医療機関ゼロを勝ち取ったのでありました。このことはマスコミが後期高齢者医療制度の矛盾と反対を大きく報道していた時期であり、そのために各方面で取り上げられました。これは偏に青森県内の医師会員の先生方の賢明な判断に困ったものでありまして敬意を表するものであります。一方、「5分間問題」は未だに解決の糸口さえも見えてこないのであります。このような屈辱的な状況を招いたのは日医執行部に大きな責任があると思います。これに対して強い追求の発言もなく、日医の反省の言葉もはっきりと聞こえて来ないのであります。このような中で、平成20年4月1日に開催された第118回日本医師会定例代議員会において唐澤会長が再選されました。しかし、投票の結果は、選挙人352名のうち無効票1、従って有効票は351であり、唐澤会長304票、対立候補の下間氏27票、白票20票でありました。唐澤会長に対して約15%の批判票があったということであります。このような経緯で現執行部が発足し、我々の代表として活動しているということであります。日本医師会という組織は巨大であり、医師の団体としては最大のものであります。昨年、勤務医による日本医師連盟というものが組織されました。しかし、医師全体を代表するのは日本医師会であると思います。この組織が弱体化し崩壊するようなことがあってはならないと思います。しかし、最近の執行部の状況をみますと、このままでは組織がガタガタになるのではないか、と危惧されるように思います。60年間も変化のないままでの組織運営ではどうにもならない状況にきていると考えられます。最近、役員政選が4月1日に決まっているのが休日でないときにはどうするか、などという問題提起が聞かれたりしております。休日かどうかなどということではなく、根本的な選出方法の改革が必要であり、求められているように思います。我々地域医師会が率先して日本医師会等の役員選出に会員が直接関与できるように要望していくことも必要ではないかと考えます。上から与えられる改革では活力がでてこないと思います。我々自身の問題として考えていくべきであります。 青森市医師会としての昨年度の大きなこととしては、東津軽郡医師会との合併が平成20年11月1日に行われたことであります。東津軽郡医師会が解散し、青森市医師会に入会するという形で合併いたしました。地域医師会が地域住民の健康を守るべき活動が重要であることから、従来は青森市だけにとどまっていた活動範囲が今別町、外ヶ浜町、蓬田村、平内町へ及ぶことになります。そのための地域担当副会長、理事を新たに選任し、体制を整備いたしました。また、4町村の首長さんにはこちらから出向いて合併の挨拶を済ませたところであります。青森市においては、以前から、健康、福祉の各分野において、市の事業や協議会、審議会に我々青森市医師会は深く係わってきております。しかし、今のところ、他の町村においてはそれほど緊密な関係にはなっていないようでありますが将来はいろんな形で係わることが予想されます。しっかりと協力していきたいと考えております。 平成21年は青森市医師会にとりましては、政治の年になると思います。解散の時期は先延ばしされておりますが、しかし、任期まで延ばしても9月までには必ず衆議院議員選挙は行われます。また、4月には青森市長選挙もあります。特に、衆議院議員選挙には強い関心を持って臨みたいと思います。我々医師のいろいろな医療に関する要求が容れられないときには、政権与党から日医の役員に対して、医師会は票を集めるのが少なく、政治的に力がないからだと言われているということを聞きます。このような屈辱的な言葉を浴びなければならない状況をよく考えなくてはならないとおもいます。確かに、我々は票を集めるのが弱い団体であります。しかし、このことは我々に力が無いということだけでしょうか。集めようとする政党に魅力がないのではないのかということも考えなくてはなりません。このようなことを言われて、反論もできないままで我々地域医師会を責めるだけの日医執行部の指導力にも疑問があります。最近の政府・与党に対して我々国民は信頼を失ってきております。そのような状況から、青森市医師連盟は9月に政党支持に関するアンケート調査を実施いたしました。結果は、政権与党である自民党支持が30%でありました。また、去る平成20年10月11日に日本医師会館で開催された日本医師連盟による衆議院小選挙区担当責任者会議においては次の衆議院議員選挙での自民党への支持を訴える会ではありましたが、強い決意というものが伝わって来ないと感じるものでありました。特に、異例だったのは、恒例になっている会の最後の「ガンバローコール」では先導して音頭をとられた方から、一言も「政権与党」「自民党」という言葉が発せられなかったことは異例であり異常でありました。現在の自民党、日本医師会の状況ではこの件に関して強力なリーダーシップを発揮できるとは思えません。いずれに致しましても近々衆議院議員選挙があることは確実であります。我々は、今回は決して選択を誤らないよう熟慮して臨みたいと思います。 会員の皆様にとりまして、本年が幸多く、一層の躍進の年でありますよう、ご祈念申しあげまして年頭の御挨拶といたします。
平成21年1月 青森市医師会 会 長 齊 藤 勝 ![]() |